選択レベル測定器の使用例
遠隔監視制御装置は全国の電力会社、水道局、ガス会社様等で各システムの監視、制御システムに使用されており、一般的に遠隔監視制御装置をテレコン、遠隔測定装置をテレメータと呼んでいます。大井電気の選択レベル測定器の代表製品”LM-534B トーンチャネル選択レベル計"を例に説明します。
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LM-534B トーンチャネル選択レベル測定器
テレメータ、テレコンは、デジタル信号を音声帯域のアナログ通信回線を用いて伝送するデータ通信の一方式です。従って、伝送するデジタルデータをアナログ信号に変換するためのモデムを使用しています。
このモデムの変調方式にはFS変調が採用されており、データの速度により、50ボー、200ボー、600ボー、1200ボーを使用することができます。また、50ボー、200ボーでは変調方式により利用する周波数帯域が狭いため1本の通信回線に多数のデータを重畳することができます(50ボー:18CH、200ボー:6CH)。
これを多重化と言います。テレメータ、テレコンの装置や通信回線のメンテナンスの上でレベル測定は不可欠な項目ですが、多重化された通信回線では、一般的なフラットレベル計を用いた測定値は全信号の合成レベルを測定することとなり、特定チャンネルの信号レベル測定を行うことはできません。
トーンチャネル選択レベル計は、テレメータ、テレコン用に開発されたフィールドメンテナンス用レベル計で、50ボー、200ボー、600ボーの全チャンネルに対応した選択レベル測定器で指定したチャンネルの信号レベルだけの測定を行うことができます。
◉ 変調速度および信号周波数 50Baud:18CH (中心周波数:425Hz 〜 3315Hz:170Hz間隔)
◉ 専用線に多重化された信号の測定
◉ 電話回線に多重化された信号の測定 (HIGHインピーダンス測定のみ)
◉ 記録計を使用した長期間の測定 LM-534Bには、SDカードへ1秒間隔で測定値を連続記録する事ができますが、シグナルアウト(信号出力)機能により、特定チャンネルの信号を出力することもできます。この出力信号をレベル変動記録計(大井電気 DLR-203等)に接続すれば、詳細なレベル変動を長期にわたり記録する事が可能です。 |